駅ごとに異なるカメラシステムにより、映像の確認に多大な労力が発生
遠州鉄道様ではこれまでもセキュリティカメラを利用されていましたが、駅ごとに異なるタイミングで導入した影響もあり、映像の閲覧や保存に課題を感じていました。
例えば、ネットワークに接続されていないカメラもあり、リアルタイムな状況把握ができない/現地にSDカードを取りに行かないと録画映像を確認できないなど、多大な労力が必要でした。さらに、拠点ごとにカメラシステムが異なることも多く、都度異なる操作に手間取ることもありました。
全駅のカメラ映像をリアルタイムに遠隔で確認でき、必要最低限の機器と工事施工で導入可能
コロナ禍で無人駅が増えたこともあり、日々の鉄道輸送における安全管理の強化と効率化を主な目的に、全91台のカメラを新たに全駅に設置され、このカメラ映像をリアルタイムに遠隔で確認できるシステムとして、Cameleoの活用を検討。
オンプレミス型のシステムと比較し、必要となる機器や工事施工が少ないことや、録画機器の劣化による修理や更新の機会が少ないといったクラウドカメラシステムの特長に加え、国交省の補助金を活用できる点から、最終的な導入を決定されました。
映像を遠隔で確認しながら、より安全で効率的な鉄道輸送を実現
「鉄道営業所では、運転指令室にある大型モニタや執務室のPCで、全駅の映像をリアルタイムで見ています。管理者は、早朝や深夜など営業所にいない場合でも、スマートフォンでの確認も可能です。事故や災害、機械トラブル等の発生時にも、映像による即座の状況把握と現場への指示出しが可能になり、対応の迅速化により緊急時の列車遅延も最小限に抑えることができています。
また、有人駅から無人駅の管理も可能になりました。例えば繁華街に近い無人駅では、お酒を飲まれたお客様がホームに多く集まる夜間などに、近隣の有人駅で映像を確認しながら音声案内を行い、転落事故などの防止に努めています。」(鉄道営業所 副所長 澤井様)
警察への映像提供時における対応工数を大幅に削減
録画映像の遠隔確認については、警察からの映像提供の要請時にもメリットがあったと澤井様は話します。
「これまではカメラ内のSDカードを取り出すために、権限を持つ担当が現地まで赴く必要がありま
した。多い時では一日に数回依頼が来ることもあり、その都度人手が取られていましたが、Cameleoの導入後は、鉄道営業所のPCで確認したり、必要な部分だけデータをダウンロードして提供しており、劇的な業務効率化につながっています。」
正確な状況把握と情報共有で、お客様へのサポート品質も向上
「鉄道以外の交通手段を扱う本社の運輸事業部でも、タブレットで全駅の状況を確認できるようにしています。これにより、例えばバスでの振替輸送が必要になった際などにも、必要な駅に本社から人員を配置し、お客様対応を的確に行うことができます。」(デジタル戦略部 デジタル推進課 インフラチーム 副課長 宮津様)
「無人駅ではインターホンを設置し、お客様がお困りの際には音声で対応を行っています。呼び出しがあった際には遠隔で映像による状況確認ができるので、より適切なサポートが可能になります。」(鉄道営業所 山下様)
大型モニタやPC、タブレットなど、社員が常にカメラ映像を確認できるデバイスを、鉄道事業所と本社に設置。

4人の管理者はスマートフォンでどこからでも状況を確認でき、フルHDの高画質映像を見ながら、的確な指示が可能に。

有人駅の窓口では、自駅内のリアルタイム映像と合わせ、近隣の無人駅の様子を遠隔で確認。

動体検知により、動きがあった箇所を効率的に確認。


現場映像活用サービス Cameleo
(2025年7月現在)
カメラの増設やAIによる検知技術などの活用を通じて、鉄道輸送のさらなる安全性向上に期待
カメラの増加時に柔軟に対応できるのもCameleoの特長。
「先日もエスカレーターで転倒したお客様の状況をCameleoで確認しながら対応を行うことがありましたが、映像で状況把握ができているので、遠隔でも的確な指示ができました。今後は、踏切などの駅構内以外の場所へもカメラを増設し、鉄道施設のさらなる安全性向上に向けて取り組んでいきたいと考えています。」(鉄道営業所 副所長 澤井様)
「より安全な鉄道輸送を実現するために、お客様の線路等への転落の自動検知も検討しています。現在、AI動体検知アプリケーションを活用したテストを行っており、高い精度で検知できるようになれば、さらに安全な環境を整えられると考えています。」(鉄道営業所 山下様)
鉄道営業所 副所長<br>
澤井 孝光様(中)<br>
鉄道営業所<br>
山下 大征様(左)<br>
デジタル戦略部<br>デジタル推進課
インフラチーム 副課長<br>
宮津 淳様(右)<br>
※所属は取材時のものです。

浜松市の住民の方の暮らしに欠かせない、地域と共に走り続ける赤電
地域の方々の生活と密接に関わりあい、より豊かでゆとりのある地域社会の実現に貢献している遠鉄グループ様の中で、鉄道事業やバス事業を中心に行われている遠州鉄道様。
新浜松駅から西鹿島駅までを結ぶ鉄道は、2万5千人近くの方が利用する重要な生活路線としての役目を担っています。
全て自社発注のオリジナル車両は、その見た目から「赤電」として、地域住民に親しまれています。
■ 所在地:浜松市中央区西ケ崎町686-1(鉄道営業所)
遠州西ヶ崎駅の横に位置する鉄道営業所



カメラシステムや録画データの保存方法が駅ごとに異なり、映像の確認に多大な労力が発生。
全駅のカメラをCameleoで一元管理することで、日々の安全管理の効率化に加え、有事の際にも遠隔で状況を把握し、現場への的確で迅速な指示が可能に。
全駅の映像をリアルタイムで把握できることで、事故やトラブル、急病人の発生等、緊急時の状況把握がしやすくなり、迅速に対策を講じることができるようになりました。

