皆さん、こんにちは! パナソニック コネクト、GEMBA編集部です。
パナソニック コネクトの取り組みを内側からレポートする【From the Inside】シリーズ。今回は、5月10日に開催された「Blue Yonder事業戦略説明会」のレポートをお届けします。
Blue Yonderは、製造・物流・流通というサプライチェーンをマネージメントするためのソフトウェアを提供している世界のリーディングカンパニー。2021年に約8600億円での買収が完了し、パナソニック コネクト傘下となった企業です。
今回のオンライン説明会では、来日したBlue Yonder CEOのダンカン・アンゴーヴさんとパナソニック コネクトCEOの樋口泰行さんが肩を並べて、これからのBlue Yonderの成長戦略について語りました。業界の専門家であり、プロフェッショナル経営者でもあるアンゴーヴさんが率いるBlue Yonderが、世の潮流をどのように受け止め、どのような戦略でそれに対応するのか、私も興味津々です。
SaaSビジネスへの投資を加速するBlue Yonder
説明会では、Blue YonderのSaaSビジネスを成長させるためには早期の投資が重要ということで、2023年度から3年間で2億ドルの戦略投資を行うことが発表されました。
規模の経済性が重要なソフトウェアビジネス。そのために他社に先駆けて標準化や早期立ち上げをする必要があることを考えると、単年度の収益性を抑えてでも基盤構築への戦略的投資が必要とのこと。拡張性とスピードを獲得することがSaaSビジネスの成長にとって大切なことがわかりました。「SaaSビジネスの収益を伸ばしていくためには、短期的な目線で捉えることなく、長期戦略に沿った適切な投資をいかに進めていくかが重要です」と強調する樋口さん。高くジャンプするためには一旦膝を曲げる必要があるのだな、と私は理解しました。
成長のキーワードは7つのValue Creation Plan(VCP)
続いてアンゴーヴさんが、Blue Yonderを変革するための7つ柱であるVCPを発表。これらを実践することで成長基盤を構築していくことを説明しました。
7つのVCPすべてが大切ですが、特に「クラウド化」については、Blue Yonderがオンプレミスのソフトウェア販売企業から、クラウドを通じてソフトウエアサービスを提供するSaaS企業へと進化するために重要とのこと。アンゴーヴさんの力強い説明に、これはまさに企業変革だな、と変革への本気度を感じました。
アプリケーションの統合・拡充で未来を描く
Blue Yonderの2022年(1月-12月決算)は非常に良い結果で、売上成長率2桁、1年間で162社もの新規顧客を獲得したそうです。
アンゴーヴさんによると、コロナ禍を過ぎてもなおサプライチェーンの重要性は高まっており、世間のサプライチェーン領域への投資意欲は旺盛であるとのこと。
「今後は、例えばERPではOracleが、営業分野ではSalesforceがアプリケーションを統合したように、サプライチェーンでもアプリケーションの統合が進むと考えています。倉庫、物流、店舗のアプリケーションをEnd To Endの共通プラットフォーム上で提供できることは当社の強力な差別化ポイントになります」と、サプライチェーン領域においてBlue Yonderがより大きな価値を提供できることを力強く語りました。
SaaSビジネスの加速により、ますます広がるサプライチェーンの未来。製造業として100年の歴史を築いてきた私たちですが、SaaSビジネスを拡張・加速させることで、より多くの人々の日常に貢献できるかもしれないと思うと、限りない可能性に胸が高鳴ります。
Blue Yonderが成長事業であるSaaSビジネスを牽引することは、コア事業であるハード中心の事業を含んだパナソニック コネクト全体のビジネスの動き方やスピード感にも影響を与えていくはずです。力を合わせ、お互いに刺激し合いながら変革を続けていくパナソニック コネクトとBlue Yonderの現場を、これからもGEMBAでレポートして参ります!
関連動画(下記サイトの「発表会動画」内に、当事業戦略説明会の動画がございます)