音響設備の役割には、大きく分けて3つあります。
①会議・講義などの話者の音声情報を広く正確に伝達する
・会議・講義・講演・セミナーなどのマイク放送
・火災時の警報・避難誘導などの非常放送
・チャイム、アナウンス、音楽などの定時放送
・案内、呼び出し、注意喚起などの構内放送
②BGMなどを通して快適で心地よい音環境を提供する
③ライブやイベントでは迫力と臨場感のある演出を行う
それぞれの空間で理想的な「音」を作りだすために、
空間の目的・用途に応じて適正な音響設備の選定、設計、調整をする必要があります。
音響設備は、音を拾い、整え、増幅し、届けるといった一連の流れで成り立っています。
まず、マイクロホンや音源再生装置で音を電気信号に変換し、ミキサーやプロセッサーで音量・音質・バランスを調整します。その後、パワーアンプで音声信号を増幅し、スピーカーで電気信号を音に変換することで、実際の音が再生されます。
音の入口から出口まで様々な機器が連携し、目的に応じた最適な音を作り出します。
音が存在している空間や環境を「音場」と呼びます。
音が伝わるときには、建物の壁・床・天井などで反射や吸音が起こり、耳に届くまでに音質や音量が変化します。
また、音が耳に届いたあとには、音の方向感や臨場感など、心理的な要素によっても聴こえ方が変わります。
このような空間的・心理的な要素が組み合わさり、私たちが耳にする音が形づくられます。
音響設備の設計の目的は、空間の大きさや用途に応じて「良い音響」を実現することにあります。
そのためには、音をつくり出す音響設備と、音が響く建築音響の両方を適切に設計することが重要です。
音響設備では、音量が適切であること、音質が良いこと、そして明瞭に聞き取れることが求められます。 一方で、建築音響においては、響きが適度であること、騒音が少ない環境が必要です。 これらがバランスよく整うことで、用途に合った快適な音環境が実現されます。
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