ビジネスミーティングルームの音響システムをリニューアル
パナソニック ホールディングス株式会社本社内に位置するビジネスミーティングルームは、主としてお客様をお迎えしての会議で使用される空間です。最大28名がメインテーブルに着席できるほど広々とした設計となっており、これまでは各席に設置したグースネックマイクで収音し、個別に音量調整を施し拡声を行っていました。しかし、専門のオペレーターを必要とするシステムだったため運用のハードルが高いという課題があったことから、今回、シーリングアレイマイクロホンWX-AM800を中心としたシステムへの改修を実施。会議主催者自身で運用できる高品位な音響システムを構築しました。
運用者、会議参加者双方に利点のあるシステムを評価
「今回の改修は『オペレーターを介さず簡易に運用でき、会議参加者の快適性を向上するシステム』を目指し行いました。提案されたシステムは、電源を入れるだけで使用可能という、機器操作に不慣れな担当者でも簡単に運用できる正にユーザーフレンドリーなものでした。また、デモで実感した『テーブルの両端の人同士で自然に会話できる』ボイスリフトの性能や、机上がすっきりし、発言の度にマイクを操作する必要がないことから、参加者の快適性も大きく向上できると考え採用を決めました」(管理・改修担当:パナソニック オペレーショナル エクセレンス株式会社 秘書室 企画課 課長 川崎宏人氏)
運用しやすく、自然な会話を引き出す音響システム
今回の改修では、音響システムをシーリングアレイマイクロホンWX-AM800と、1.9 GHz帯デジタルワイヤレスマイクシステムWX-SR200Aシリーズを組み合わせた構成にリニューアル。天井に3台設置したWX-AM800は、中央のメインテーブルに座る会議参加者の声を収音するように設定し、離れて座る運営スタッフの声はワイヤレスマイクロホンWX-ST200で収音するシステムとしました。WX-AM800で収音した参加者の声は「ボイスリフト」を用いて天井埋込スピーカーWS-A12から出力されます。話者の声を一律に拡声する通常の音響システムとは異なり、「ボイスリフト」では室内の様々な場所にいる複数の話者の声を、話者からの距離に応じた適切な音量感で出力します。以前のシステムでは、オペレーターが話者の声量に合わせてリアルタイムでグースネックマイクの感度を1本ずつ調整していました。しかし新システムでは、WX-AM800の収音力とボイスリフトにより、話者がメインテーブルのどの位置に座っていても、自然で聞きやすい声を自動で参加者全員に届けることが可能です。
「改修前の音響システムは専門オペレーターによる操作が必須で、会議を主催する事務局側に都度手配してもらう必要がありました。しかし、新システムは高性能でありながら、使用時に必要な操作は主電源を入れるだけのため、事務局の担当者自身で運用を行うことが可能です。今回の改修によって、オペレーター手配のための準備期間など利用に際しての様々なハードルが撤廃され、より柔軟に使用できる会議室になりました」(管理・改修担当:パナソニック オペレーショナルエクセレンス 株式会社 秘書室 企画課 久我真理子氏)
「オペレーターを手配する場合、段取りや見積りの確認など、事前に細かなやり取りが必要だったのですが、新システムではそういった業務が一切なくなり助かっています。使用方法についても、事前のレクチャーと備え付けのマニュアルだけで充分理解でき、使いやすく便利なシステムだと感じました。私が事務局を務めた会議は、海外からのお客様を含めて20名ほど出席するものでしたが、皆さん非常に自然な様子でお話しになっていたのが印象的でした。目の前のマイクを意識することによる力みもなくなり、普段通りの発声でスムーズにやりとりをされている様子に、以前のシステムにはない良さを感じました」(実運用者:パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 渉外本部 エキスパート 土谷玲子氏)
3台のWX-AM800は会議室天井の中心に1列に並べて設置。
天井に設置されたWX-AM800。
会議参加者以外の拡声用にワイヤレスマイクロホンWX-ST200を導入。
会議室内の機器ラック。操作パネルの電源を入れるだけでシステムを運用可能。
- シーリングアレイマイクロホン WX-AM800 ×3台
- RAMSAデジタルパワーアンプ WP-DD124DAN ×3台
- ワイヤレスマイクロホン(ハンドヘルド型) WX-ST200 ×4本
- ワイヤレス受信機 WX-SR204A ×1台
- ワイヤレスアンテナ WX-SA250A ×1台
- RAMSA天井埋込スピーカー(12cm) WS-A12 ×10台 …他
リニューアルを経て一層活用される会議室に
ハイブリッド型会議の際は、備え付けのUSBケーブルをWEB会議用のPCに接続するだけで会議室内の音響システムを使用できるなど、今回の改修を経て、対面だけではなくあらゆる形式の会議を主催者自身でオペレートできるようになりました。これまで様々な面でネックとなっていたオペレーターの手配が不要になりましたので、より一層このビジネスミーティングルームを活用いただけるようになればと期待しています。また、さらに有意義な会議を実施できる空間となるよう、今後は室内の映像撮影機器などのアップデートも検討していきたいと思います。(川崎 宏人氏)
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
秘書室 企画課
課長 川崎 宏人氏 / 久我 真理子氏
渉外本部
エキスパート 土谷 玲子氏
「事業会社制」を支えるブレイン
パナソニックグループは持株会社と6つの事業会社、専門的な機能を担う会社および国内外の関係会社で構成されています。持株会社であるパナソニックホールディングス株式会社は、「事業会社制」を採用するパナソニックグループ内において、事業会社や関係会社の統括、グループ全体に関わる戦略立案を担い、それぞれの領域で事業活動に取り組むグループ企業を支えています。
所在地:大阪府門真市大字門真1006番地
URL:https://holdings.panasonic/jp/
オペレーターを介さず簡易に運用でき、会議参加者の快適性を向上するシステムを導入したい。
シーリングアレイマイクロホンWX-AM800を中心とした音響機器を採用。WX-AM800の収音力とボイスリフト機能により、自動で参加者全員に聞きやすい音声を届けられるシステムを構築。
今回提案されたシステムは、電源を入れるだけで使用可能という、機器操作に不慣れな担当者でも簡単に運用できる正にユーザーフレンドリーなものでした。